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DANNJU(ダンジュ)は必要?玄関ドアの断熱性の重要性を検証

2024年1月31日

一条工務店は45周年となる2023年に新しい仕様『断熱王』の取り扱いを開始しました。断熱王の内容は下記2点になります。

  • 超断熱玄関ドア DANNJU(ダンジュ)
  • 土間床の断熱強化

これらにより、もともと高い断熱性能を誇る一条工務店の弱点であった玄関断熱が改善されることとなりました!

断熱性能の最高等級である等級7を達成できるということもあり気になるオプションではありますが、本当に必要なのかを確認していきたいと思います。

本記事では、DANNJUの性能を比較検討します。

1.一条工務店のDANNJUとは

DANNJUとは、業界最高峰となるU値0.46W/㎡・Kの玄関ドアのこと(採光ガラス無しタイプの場合)。

他の特性も強化されていて、例えば他の玄関ドアであればオプションのスマートロックなども付いてくる。

  • 機能性:スマートロックを採用。リモートキーにより、スマートスピーカーやスマートウォッチ、アプリから遠隔操作で施解錠ができるほか、遠隔で施錠の確認も可能で安心。アプリを入れたスマートフォンを持って近づくと自動解錠されるハンズフリー解錠機能も搭載。
  • 防犯性:2つの鍵(スマートロック)に加えて、屋外側にシリンダーのない補助鍵が付いているため、万が一2つの鍵がピッキングされても侵入を防げる仕様。また、ドア自体が堅牢で、こじ破りに強い。
  • 防災性:採光ガラスは台風や竜巻などによる飛来物からのガラス破損を防止する4層強化ガラスを採用。ドアとドア枠の間に水密性に優れた中空パッキンを採用することで、水害が発生した際に玄関からの浸水を防ぐ。このパッキンにより気密性も上がるはず。

ちなみに、DANNJUのオプション価格は48万とのこと。高い!

アイスマートであればプロノーバの玄関ドア(約25万)が標準なので、差額の23万になる。スマートロックが付くこと等を考えると、高いけどまぁそれくらいかかるか・・・という感じ。

 

2.最高断熱等級の新設


2022年10月に断熱等性能等級の等級6・7が新設され、最高が等級7になりました。一条工務店のHPを見ると、既に一条工務店で建てる9割以上が等級6相当ということで、あとはどうやって等級7まで上げようかと考え、玄関の断熱に着目したとの記載がありました。

そして、玄関ドアDANNJUを採用することのみにより、等級7を達成できるようになったとのことです。
※当然、建てる地域区分や窓の種類・面積により達成できない場合もあります。

  

3.DANNJUが本当に必要か検証してみた

玄関ドアは住宅外皮に占める面積の割合が低いため、これまで軽視されてきました。

この高断熱性玄関ドアに変更することで、どの程度数値に差が出てくるのでしょうか。

住宅の形状を変更して計算してみますので、どうぞご確認ください。

計算の前提条件

前回のUA値、Q値比較と同様に、条件を決めて単純な構造で計算してみました。

具体的な条件は下記の通りとなります。本記事では、純粋にDANNJUのみの影響を確認していきます。

  • 熱貫流率 W/(m2・K) 壁:0.2、床:0.2、天井:0.15、窓:0.80 どれもトップレベル
    (壁・床は一条工務店の高性能断熱ウレタンフォーム190㎜を想定、天井は壁より高断熱にするため、ざっくり計算で0.15にした)
  • Q値の算出に必要な換気による熱損失(トイレや浴槽の換気、一条工務店であればロスガードなど)は無視した。
    今回はUA値のみを比較していきます。
  • 通常断熱性の低い玄関も、一般の壁や床と同じ断熱性とみなした。(断熱王でない場合は、本来断熱が悪い
  • 床面の温度差係数は0.7、その他の温度計数を1.0とした。
  • 建屋の高さは一般的な2.4mとした。
  • 窓は30坪で20m2とした。
  • 玄関のサイズは幅1.0m×高さ2.3mとした(DANNJUで我が家が採用したタイプとほぼ同じ大きさ)
  • 玄関ドアはDANNJU(採光無し)0.46W/(m2・K)、比較用をプロノーバ(採光有り)1.29W/(m2・K)とした。
kumashi

ちなみに、我が家が採用したDANNJU(上の方に載せてた縦に長い採光があるタイプ)は熱貫流率が 0.53 W/(m2・K)だったよ。

 
 

Case1 30坪の平屋の場合

まずはそれぞれの面積を出します。

床と天井の面積:9.10×10.92=99.37m2

玄関ドアの面積:1.0×2.3=2.3m2

側面積:2.4×9.1×2=43.68 2.4×10.92×2=52.42 43.68+52.42-2.3(玄関ドア)-20(窓)=73.80m2

窓面積:20m2

次にそれぞれの熱損失を出します。

床:0.2×99.37×0.7=13.91W/K  天井:0.15×99.37=14.91W/K

玄関ドア:DANNJU:0.46×2.3=1.06W/K  プロノーバ:1.29×2.3=2.97W/K

側面:0.2×73.8=14.76W/K

窓:0.8×20=16.0W/K

熱損失の合計:DANNJU:13.91+14.91+1.06+14.76+16.0=60.64 プロノーバ:13.91+14.91+2.97+14.76+16.0=62.55

外皮の合計:99.37+99.37+2.3+73.8+20.00=294.84

DANNJU採用 UA値=60.64÷294.84=0.206 W/(m2・K)

DANNJUからの熱損失の割合:1.06÷60.64=約1.7%

プロノーバ採用 UA値=62.55÷294.84=0.212 W/(m2・K)

プロノーバからの熱損失の割合:2.97÷62.55=約4.7%

kumashi

0.06 W/(m2・K)の変化となりました。

温暖地域ではあまり必要ないレベルかもしれません。

壁などの断熱レベルが高いと、ドアからの熱損失の割合が地味に大きいですね。

  
  

Case2 30坪の2階建ての場合

床・天井面積:49.686m2

玄関ドア面積:2.3m2

側面積:4.8×9.10×2=87.36  4.8×5.46×2=52.42 87.36+52.42-2.3-20=117.48m2

窓:20m2

  
床:0.2×49.686×0.7=6.96W/K  天井:0.15×49.686=7.45W/K

玄関ドア:DANNJU:0.46×2.3=1.06W/K  プロノーバ:1.29×2.3=2.97W/K

側面:0.2×117.48=23.50W/K

窓:0.8×20=16.0W/K

熱損失の合計:DANNJU:6.96+7.45+1.06+23.50+16.0=54.97 プロノーバ:6.96+7.45+2.97+23.50+16.0=56.88


外皮の合計:49.686+49.686+117.48+2.3+20=239.15

DANNJU採用 UA値=54.97÷239.15=0.230 W/(m2・K)

DANNJUからの熱損失の割合:1.06÷54.97=約1.9%

プロノーバ採用 UA値=56.88÷239.15=0.238 W/(m2・K)

プロノーバからの熱損失の割合:2.97÷56.88=約5.2%

kumashi

DANNJUとプロノーバの差が0.08になり、30坪の平屋の場合と比較して差が0.02大きくなりました!

外皮面積の合計に対する玄関ドアの面積の割合が大きくなるので、UA値への影響度がアップしていますね。

 

3.まとめ

今回は30坪の平屋と2階建ての2つのCaseでDANNJUとプロノーバの玄関ドアがUA値に与える影響を比較してみました。

結果、UA値には平屋では0.06、2階建てでは0.08の差が出ることがわかりました。

平屋と2階建ての違いは、外皮の合計面積に対する玄関ドア面積の割合が大きいか小さいかですので(2階建ての方が大きい)、

そのあたりを目安に採用するかどうかを検討してみてはいかがでしょうか。

また、坪数が大きいと外皮の合計が大きくなるので、UA値への影響は小さくなります。

逆に、坪数が小さいとUA値への影響が大きくなるので、寒い地域の都市部などでコンパクトハウスを建てる方は採用してもいいかもしれません。

 

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